コロナ禍による住宅の新しい傾向
昨年からのコロナ禍で、マンハッタンを離れ広さのある郊外での暮らしを求める方が急増しているニューヨーク住宅市場ですが、学齢期の子供の学校が区切りになる6月に入り、その傾向には拍車がかかっているようです。
ここロングアイランドでも、ことに賃貸住宅市場は物件不足が続いており、コロナ以前と比べた価格上昇は著しく、ポートワシントンの築浅物件では昨年比10%を超える物件も出てきています。
<写真はイメージです>
売買住宅市場はダウンサイズで物件を売る人が増え、その売却価格は昨年来の高止まりが続いています。ただ、この機会に乗じ市場価格以上の高値をつけている物件はやはり売れていない状況で、これは購買者がインターネットで適正価格を確認できるようになっていることも影響しているようです。またニューヨーク市の賃貸ビルから転居してくる若い家族には、メンテナンスが楽なコンドミニアムにも近年になく人気が出ています。新築のシニア向けコンドミニアムも売却後の住居としての需要で、高額にも関わらず順調な売り上げです。
コロナ禍による新しい傾向として、1エーカー以上の土地に建てられている$$2ミリオンを超える高額物件市場にも注目が集まっています。コロナ禍以前にはマンハッタンの高級コンドミニアム内の大型物件を希望していた購入者層が、広々した庭園付きの大型物件を求め、郊外の安全で緑多いエリアでの豊かなライフスタイルに注目、ロングアイランドではノースショアに点在する3,500スクエアフィート以上の邸宅の購入が進んでいます。
グレートギャツビーの舞台となったグレートネック、3エーカー以上のマンションが多いローカスバレーなどでは$2ミリオンを超える大型物件のオープンハウスに列ができるような現象も起きています。今後さらにリモートで家から仕事をするということが日常になると、この需要はしばらく続くものと思われ、ニューヨーク界隈のライフスタイルは急激に変化を見せるかもしれません。
リダック ロングアイランド・オフィス 土肥 美佐