サンフランシスコの住宅不動産トレンド
リダック サンフランシスコ・オフィスより現地レポートをお届け致します。
昨年は、今世紀史上に残る激動の一年となりました。コロナパンデミック、シェルター・イン・プレイスに始まり失業率の急増、中小企業を含む各種ビジネスの倒産、山火事、と、これでもか、というほど負のスパイラルによる嵐が吹き荒れた年でした。
アメリカ不動産業界にもその影響は大きく及び、マーケットが下落し、賃料が下がり空室が目立つビルやアパートメントが都市部メトロポリタンを中心に増えました。その理由はWork From Home(在宅勤務)という新しい勤務スタイルによって仕事をする人達が増えたことで、通勤に便利な都市部に住居を構える必要性がなくなった、というトレンドによるものと言えます。
ただ、このトレンドはいつまで続くのでしょうか?
2020年の不動産売買市場を見ると、例えばサンフランシスコは例年と比較して好調でした。特に戸建物件の売買は2019年の中間価格$1,600,000と比較して2020年は$1,650,000となっており、決して下がっていたわけではなく、更に物件が売れるまでの平均期間については2019年の25日と比較して2020年は26日と、変わらず好調であったことが伺えます。これに対して、コンドミニアムは2019年の売買中間価格$1,247,000に対し2020年は$1,205,000と下がり、平均期間は2019年の35日に対し、2020年は41日と時間を要しています。
実際に、戸建ての賃貸物件やコンドミニアムの中でも優良物件の賃貸状況は去年までの好調期と比較して貸し手市場であることが顕著となっており、賃貸物件の入居者募集広告掲載後、翌日から数日で借り手が付いてしまったという場面に、このコロナ状況下で何度も遭遇しました。コロナパンデミックで大きく市場が落ち込んだのは3月から5月までの間で、その後は住宅ローンの金利が下がったことも大きな後押しとなり、戸建の売れ行きが活発になりました。また、パンデミックの最中、サンフランシスコでは建築中、又はリノベーション中の物件を特に多く目にしました。
不動産マーケットの動きを見ていると、都会離れによる都市の空洞化など起こり得そうにも見えますが、この美しい太平洋とゴールデン海峡に囲まれたユニークな街サンフランシスコが、パンデミック如きでGone(もぬけの殻状態になる)していくなど想像がつきません。おそらく今年2021年は、不動産のキャッチアップ(巻き返し)が始まるのではないか、という予感がしてなりません。
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