オフィスの契約更新のタイミング
契約更新するタイミングはいつ頃が良いですか?と企業のオフィス担当の方から尋ねられることがあります。そこで、今回は契約更新(交渉)のタイミングについてお話したいと思います。
いつもお客様には、『移転するのに十分なタイミングで交渉』とお伝えしています。では、移転するのに十分なタイミングとはいつか、というとこれは賃貸スペースのサイズや設営内容により大きく異なってきます。ざっくり申し上げると、交渉を開始するタイミングは契約期限の6か月~2年前程度の幅があります。
また、契約更新するタイミングを検討する上で考慮すべき要素は他にもあります。以下に代表的な例をご紹介します。
賃料相場:
一般的に賃料相場が上昇傾向にある場合は早めの交渉開始、下降傾向にある場合は遅めの交渉開始をお勧めしています。つまり、上昇傾向の場合、値上がりする前に現相場の賃料をベースに契約期限後の期間の賃料を低く抑える様に交渉するのが得策ですし、逆に下降傾向の場合、値下がりするのを待って交渉することで賃料を低く抑えられる可能性が高まります。
オーナーの意向:
これは、オーナーが御社と契約更新したいか、賃料相場に対して物件の賃料はどれくらいが適切と考えているか、という点で、とても重要な要素です。一般的にオーナーの意向は先方に聞いてみないと判りません。ただし、時折ビルの大型改装や建て替え、売却などの具体的な情報(噂)がある場合は、より早く意向確認すれば、テナントとして契約期限に向けての方針を早めに定めやすくなります。
一方、賃料は全体相場の傾向とオーナーの特定のビルについての相場観が一致しているとは限りません。全体相場の傾向だけで判断せず個別にも確認することが大切です。
規模:
一般的なオフィスの場合、2,000スクエアフィート程度でしたら9か月前、5,000~8,000スクエアフィートですと1年程度前、それ以上ですと2年以上前というのがざっくりした目安です。
特殊な設備・機器の有無:
特殊な設備・機器がある場合、移転に時間が掛かります。またそれらの設備・機器を移設するか新規に設置するかでも、更に工期(つまり移転に必要な期間)に大きく影響が出てきます。
更新の権利:
これは、以前このメルマガで説明させて頂いたRenewal Option(更新オプション)と言われ、オーナーの意向に関わらず契約更新が出来る権利です。大抵、契約期限の6~12か月前にオーナーに通知することで行使できる取り決めとなっています。この権利が契約書にあるかどうか、行使するかどうかも契約更新のタイミングに大きく影響します。
※Renewal Option(更新オプション)については こちら>>
契約更新の適切なタイミングを判断する上で、重要な要素とポイントは以上です。
弊社ではこうしたことを踏まえて、お客様毎に適切なタイミングのアドバイスに始まり、契約更新交渉のサポートをさせて頂いております。
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