アメリカ不動産投資スクール 【第10回】米国での不動産購入時に必要な経費について
アメリカで不動産を購入する際、日本と同様に様々な手数料や税金がかかります。必要経費は州によって異なりますが、今回は、ニューヨーク州で不動産購入時にかかる費用の内訳を詳しく見ていきます。一般的にマンハッタンでコンドミニアムを購入する場合、現金購入で物件価格の2~4%、ローンでの購入の場合、物件価格の5~6%かかります。
【1】タイトル保険+調査料
中古物件を購入する上で一番大きなコストを占めるのが、タイトル保険料と調査料です。物件価格のおよそ0.5%が目安となります。タイトル保険とは、物件の権利(所有権、抵当権、地役権等)に対する保険料です。
【2】弁護士費用
ニューヨークでは、契約内容のレビューと交渉、デューデリジェンス、クロージングでの各種の書類レビューはすべて弁護士が行います。費用は弁護士によって異なりますが、2,500~5,000ドルが相場です。
【3】登記費用
登記費用は物件の所有権が譲渡されたことを登記するために市に支払います。通常200~750ドルです。
【4】固定資産税・管理費調整額
月の半ばにクロージングが行なわれる場合、固定資産税とコンドミニアムの管理費(コモンチャージ)を日割りで精算します。
【5】モーゲージタックス
ニューヨーク州はローンにも税金が課せられます。ニューヨーク市の場合50万ドル以下の物件は1.8%、50万ドル以上の物件は1.925%がかかります。
【6】銀行弁護士費用
ローン付きでの購入の場合、銀行弁護士費用がかかります。通常600~800ドルです。
【7】銀行ローン手数料
銀行や融資のプログラムによって異なりますが、銀行手数料を支払うことでローンの利率を下げることができます。銀行が宣伝している安い利率はこのポイントを買うことが条件になっていることもあるのでご注意ください。ポイントは経費として控除の対象となります。
【8】ローン申請費用
ローンを新規発行する際の手数料です。通常300~500ドルくらいです。
【9】譲渡税
譲渡税は通常売り手が支払うものですが、新築物件を購入する場合、買い手が譲渡税を払う商習慣があります。ニューヨーク州には物件価格の0.4%、ニューヨーク市には50万ドル未満の場合は1%、50万ドル以上の場合は1.425%の税金を納めることになります。
【10】売り手弁護士費用
新築物件の場合、売り手側の弁護士費用を負担する場合もあります。交渉可能な場合もありますが、買い手負担になるのが通例です。
【11】ワーキングキャピタルファンド
ワーキングキャピタルファンドとは、コンドミニアムの管理組合に支払う積立金です。通常、管理費(コモンチャージ)の1~2か月分が目安となります。
【12】マンションタックス
ニューヨーク州では100万ドル以上の物件の場合、物件価格の1%のマンションタックスがかかります
【13】管理会社・組合書類審査費用
購入の審査のために審査費用がかかります。コンドミニアムによって異なりますが、1200~2000ドルが目安です。
新築の場合、中古物件よりコストがかかりますが、マーケットによっては交渉可能な場合もありますので、売主弁護士費用や譲渡税、ワーキングキャピタルファンドなど状況によって交渉してみることをお勧めします。なお、米国の商習慣では、物件購入時に不動産エージェントに対して仲介手数料はかかりませんので、信頼できるエージェントを選んだ上で物件探しをされる方が効率的です。
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