全米、及びニューヨーク近郊における2015年の家賃動向
弊社で毎年春先にリリースしている全米の日系企業駐在員向け賃貸住宅マーケットデータ「エキスパット家賃レポート」より、主要都市、並びにニューヨーク近郊の家賃動向を紹介します。
全米の賃貸家賃水準は引続き上昇傾向であるものの、都市によっては落ち着きを見せはじめています。相変わらず前例のない上昇率をみせているシリコンバレーエリアをはじめ、シアトル、ポートランドなどの西海岸の都市は、好調な地元経済の影響を受け、市外から多くの人が流入したため賃貸需要が高まり、引き続き大きな家賃の上昇を見せています。一方で、近年では稀にみる出来事として、一時は需要の高さから急激に家賃が上昇した都市において、経済の減速などの理由から、家賃が下がる傾向も一部で見られました。
子女帯同を対象とするタウンハウスや一戸建てなどの賃貸物件においては、学校区や生活環境を優先した結果、限られた一部のエリアにある、似たような物件に希望が集中しがちです。このような状況は都市を問わず全米で共通しており、需要の高まりによる家賃の上昇、複数のオファーが同時に入ることによる物件確保の難しさが散見されます。
ニューヨーク近郊を見た場合、マンハッタンでは空室率が昨年に引き続き僅かに和らいだものの、依然低いレベルで推移しており、前年度と同程度の家賃上昇率を記録しました。ウエストチェスターでも安定した需要を背景に、同程度の家賃上昇が見られました。いずれのエリアも家賃の高額化が進み、企業の許容範囲を超えるレベルの金額に近づいてきているような状況です。その結果、マンハッタンやウエストチェスター以外の居住エリアとして、ルーズベルトアイランド、ロングアイランドシティ、フォレストヒルズ、ニュージャージーなどを選択肢に追加するケースが見られるようになりました。
予算や家族形態をふまえた居住エリアや物件タイプの選択について、テナント側のより柔軟なアプローチが鍵となっています。
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家賃相場は地域により大きく変動しています。
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