コロナ禍のマンハッタン不動産賃貸・売買マーケット
マンハッタンでは非常に珍しい、テナント優位なマーケットの到来
ここ最近、マンハッタンの賃貸マーケットでは大手ディベロッパーの物件など2年契約で4カ月のフリーレントを提供したり、その他テナントにフレンドリーな条件をつけて誘致する活動が盛んです。コロナの影響でマンハッタンから郊外への移住が増える動きがあるなか、マンハッタンのアパートは空室が増え、コンドミニアム(分譲マンション)等のオーナーは大きな打撃を受けています。更新の際は家賃据え置きとなるケースが多く、通常とは真逆のテナント優勢の市場になっています。
ニュース等で最近マンハッタンの家賃が10%下落したと報道されていますが、その背景にはこのような2~4カ月のフリーレントをつけることによってネット家賃を安く見せる方法がとられているからと言えます。ただし、契約書に記載される実質家賃はグロス家賃となり、オーナー側は契約満了後、不動産マーケットが戻ってきたらグロス家賃のレベルに家賃を引き上げられるように、とグロス家賃はそのままの設定にしているケースが多く見られます。従って、次の契約更新時に急に家賃が上がる可能性もあるため、契約時には注意が必要です。CNNニュースによると、直近のマンハッタンの空室率は3.67%と14年ぶりに高くなったとされています。
今なら良い物件を割安で購入できる!?
一方、マンハッタンの売買マーケットでは、7月以降の新規契約数は昨年対比40%以上の減少となっているにも関わらず、新規で募集される物件数はロックダウン期間中の反動もあり、直近では昨年対比40%以上の増加となり、需要減・供給増の状況が短期的に起こっています。6月22日に社会経済活動再開第二フェーズされる以前は、物件の見学が禁止されていたことと、第二フェーズ再開後の回復期待から、売買募集価格の下落はあまり見られませんでした。しかし第二フェーズ再開後も売買市場に回復基調が見られないことから、7月以降では、募集価格を下げる物件数が第二フェーズ再開直前の3倍以上となっております。
一方では、FacebookやAmazonのオフィス拡張など、マンハッタンがシリコンバレーに次ぐIT拠点となる動きがみられ、長期的には経済の中心としてさらに成長が見込めることを考えると、一時的にマーケットが落ち込んでいる今は、マンハッタンで不動産の購入を検討されている方には、良い物件を割安で購入するのに絶好のチャンスと言えます。
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