コロナ禍のアメリカ賃貸住宅マーケット概況|ニューヨーク州とカリフォルニア州
ニューヨーク州|マンハッタン
3月中旬以降、全ての物件の内覧が禁止となり、バーチャルツアーでの対応のみとなっていましたが、5月15日を境に、内覧が可能となったリーシングオフィスが出始めました。既にニューヨークに到着され、ホテルやサービスアパートに仮滞在中の新規ご赴任者や、もともとニューヨークにお住まいで引越しを検討されている方にとっては、少し状況が改善したと言えます。ただ、ニューヨーク市は州内でも最も感染者数が多いので、外出時は十分な予防に気を付ける必要があります。5月に入ってからの顕著な動きとしては、実際の物件を見学せずにバーチャルツアーにて、写真やビデオのみで決定される方も増えました。これからの物件探しの形が変わる可能性も感じられます。
ニューヨーク市郊外|ウエストチェスター・ロングアイランド
今回のコロナの影響で、自宅勤務やソーシャルディスタンスの観点から、ニューヨーク市在住の世帯が郊外へ移住するといった動きが出てきています。子供がいる家庭だけでなく、単身者でも郊外へ引越するケースがあり、戸建てや二世帯住宅に加え、アパートメントのような集合住宅の需要も高いようです。物件の内見に関しては、州の規制により、写真、動画、FaceTimeなどを使ってのバーチャル内見のみが可能でしたが、今後、徐々に規制が緩和されていく見込みです。もともと賃貸物件が少ないマーケットですが、コロナ禍の中でも賃貸マーケットは活発で、貸主優位なのは変わらず、賃貸価格にそこまで大きな変動は出ていません。
カリフォルニア州|サンフランシスコ・サンマテオ・サンノゼ
以前と比較して、アパート側・個人大家からの積極的な売り込みが少しずつ増え、一部の物件においては一時的に借り手市場になりつつあるという印象です。例年同時期と比較して家賃相場が特に下がっているという傾向はみられず、都市封鎖が解除されても現状維持となるのではないかと予想されます。Stay at home命令が発令され全体的な市場の動きはスローダウンしたものの、慢性的な物件不足の続いているベイエリアの賃貸市場では、貸し手側有利であることに変わりはなさそうです。
カリフォルニア州|ロサンゼルス・アーバイン
全体的にコロナの影響で借り手市場になっているようには見受けられませんが、アパートによってはこの時期には珍しく4~6週間のフリーレントをオファーする他、Application Fee(申込費用)を無料とするケースもあり、一部テナント優位の物件も。一方で、このような状況による家賃未払への懸念から、クレジットヒストリーが無い人(ソーシャルセキュリティ番号を取得したての人)は契約時に前払家賃を求められるケースも出てきています。駐在員の動きはスローな中、ローカルテナントは引き続き動いているおり(学校や仕事の関係で引越が必要な層は多い)、これが未だに借り手市場になりにくい原因と推測されます。
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