【最新マーケット情報|ロサンゼルス】 冷凍冷蔵倉庫ニーズが急上昇~オンライン食材販売の増加で
近年、消費者のライフスタイルの多様化に伴って、食材のデリバリー市場が拡大しています。オンラインで食材を注文する人はいまや5人に1人とも言われており、3年後には食材売り上げ全体の13%をオンライン販売が占めると言われています。その割合は2018年から3%増加すると見られていますが、この増加をオンライン販売での売上額にすると1000億ドルにも上ります。
そのため、食材を新鮮な状態のまま消費者まで配送できる設備の整った冷凍・冷蔵倉庫の需要が急速に高まっています。今後5年で1億平方フィートに上る新しいスペースが必要とされると見られています。現在、冷凍・冷蔵倉庫が占めるスペースは2億1400万平方フィートなので、需要がいかに急速に高まっているかが分かります。
その中でも国内有数の生産地から届けられる新鮮な食材をさばけるロサンゼルスやニューヨークといった港町は、特に冷凍・冷蔵倉庫の需要が拡大すると見られています。また、食材生産地として名高いカリフォルニア州、ワシントン州、フロリダ州、テキサス州、ウィスコンシン州でも冷凍・冷蔵倉庫の需要拡大が期待されています。
国内の賃貸倉庫市場の中で冷凍・冷蔵倉庫が占める割合はまだ1~3%にすぎません。冷凍・冷蔵倉庫の建設が急務ではあるものの、冷却システムや巨大な空調設備を必要とするため、一般的な倉庫と比べると2~3倍のコストがかかります。また、冷凍・冷蔵倉庫では、温度管理ミスで食材にダメージを与えてしまうリスクもあるので、食材に合った保管知識を有する専門的なスタッフが必要です。一般の倉庫と比べてコストやリスクが高い分、冷凍・冷蔵庫への投資はハードルが高いのです。ただ、消費者のオンラインでの食材購入は今後も増加するものと見られており、それに伴って冷凍・冷蔵倉庫の需要も拡大するものと見られています。
そのため、冷凍・冷蔵倉庫の争奪戦が繰り広げられており、空率は4%と、昨年の5.5%から低下。これは実質的に空き物件がないレベルを意味します。スペースの年間賃料も平方フィート当たり$7.68と、昨年から5.2%上昇しました。eコマース産業の拡大が商業不動産に及ぼす影響が強くなりつつある中、冷凍・冷蔵倉庫市場に熱い視線が送られています。
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