賃貸契約時の留意点 ~ニューヨーク州の場合~
日本とは住宅事情・商習慣が異なるアメリカでは、賃貸契約の更新時にも注意が必要です。特に、駐在など期間限定で米国生活を送られる方は、賃貸契約を中途解約されるケースも多く、そのような場合に備えて、万全の準備をしておきましょう。今回は、ニューヨーク州の注意事項を取り上げますので、ご参考にしてください。(州により状況が異なります。ご了承下さい。)
【1】更新可能な期間
1年か2年
【2】家賃交渉
日本と違い、更新時には通常値上げがあります。マーケットによっては値上げ幅の交渉は可能です。新築ビルにはLegal rent、 Preferential Rentなど紛らわしい表現で家賃値上げの根拠がわかりにくいものがありますのでご注意ください。
【3】セキュリティ・デポジット
家賃が上がるとセキュリティ・ディポジットも同額だけ上がり、差額分の支払いが求められる場合が多く見受けられます。なお、初年度の契約時にクレジットヒストリーがないため2~3ヶ月分のセキュリティ・デポジットを入れた場合、その後のクレジットヒストリーが築けていれば減額してくれるケースがありますので、問い合わせてみましょう。
【4】中途解約条項
最初に2年契約し、2年目以降解約条項がついている場合、3年目以降の更新時にうっかりその権利が落ちてしまわないように、同じ条項を必ずつけてもらいましょう。2年更新される場合、貸主によっては更新2年目のみ認めるケース、1年目からでも2ヵ月後からしか認めないケース、冬のスローな期間は認めないケース、マーケットの変化によって急に認められなくなるケースなど、様々なケースが考えられますが、なんらかの形で解約条項を入れてもらえるよう交渉しましょう。
一戸建てやコンドミニアムで更新契約書に「変更点以外はすべて最初の契約内容に準ずる」(Other terms and conditions remain the same.)という文言が入っている場合は、最初に中途解約条項がついていれば更新年度もカバーしますが、賃貸ビルはリクエストしないと解約条項はついて来ませんので、必ずリクエストしてください。近年更新時の解約条項付け忘れが多発しています。ご自身で契約更新されるのが不安な場合は、ご遠慮なくリダックまでご相談ください。
【5】削除・追加条項の確認
最初の契約で削除、あるいは追加された条項があれば、更新時にも同様に削除・追加されていることを確認しましょう。
【6】コンドミニアム・戸建ての場合
上記注意事項に加え、ニューヨークのコンドミニアム・戸建てにお住まいの場合は、更に下記の点にご注意ください。
●コンドミニアム・戸建ては、賃貸ビルと違い、更新できるか否かは貸主次第となります。通常、貸主から更新通知は来ませんので、契約満了の60~90日前には借主側から貸主に更新希望の連絡をします。
●コンドミニアムは、更新時もボードの認可が必要で、通常2週間から1ヶ月かかりますので、契約期間が切れる前に早めに手続きを行いましょう。
●コンドミニアムは、更新に際し、ビル管理会社、ビル管理組合、ユニット管理会社、更新手続きを請け負う不動産会社などに対し、更新費用が発生しますので、予め費用の確認を行いましょう。ご入居時と費用やルールが変わっている可能性がありますので注意が必要です。
リダックでは、解約条項の内容確認、交渉のサポートをしております。賃貸更新時にお困りの際は、一度ご相談ください。