【最新オフィス・マーケット情報|ロサンゼルス】 トヨタ北米本社跡地は誰の手に?
2014年春、トヨタは北米本社機能を2017年中にカリフォルニア州トーランス市からテキサス州ダラス北部のプレイノ市に移転することを発表しました。そして今年2月、オフィス兼産業スペースを含んだ110エーカー(約45万平方メートル)の同社キャンパスが売りに出されました。買い手候補としてIT大手のグーグルや、電気自動車メーカーのテスラなど米国を代表する企業名がニュースで飛び交っていますが、まだ買い手は決まっていません。
現在売りに出されているトヨタ北米本社キャンパス
トーランスはロサンゼルス郡のダウンタウンから南西に約32km、ロサンゼルス国際空港(LAX)から南東に約18kmに位置しています。人口は14万5千人を越え、同郡(88市及び市制施行されていない多数のエリアで構成)の中で8番目に大きい都市になります。元々油田の発掘から産業都市として発展したトーランスは、今や航空、石油精製、自動車、ヘルスケア、観光などのサービス産業も盛んで、同郡南部における商業の中心地となっています。
世界有数の日系企業の集積地としても知られています。LAX、ロサンゼルス港、ロングビーチ港へのアクセスが便利なため、米国内の物流拠点としてアジアと米国を結ぶ窓口になっていることがその大きな理由です。
多くの日本人や日系アメリカ人が居住することで有名なトーランスですが、一年を通して温暖で住環境や学区が良いため、近年は特にアジアからの移民が増え続けており、今や人口の約35%をアジア人が占めています。
トヨタ北米本社跡地の買い手については1社になるのか、もしくはディベロッパーや不動産投資会社が買い付けてスペースを小分けして賃貸に出すのかまだ分かっていません。ただ、トーランス周辺におけるクリエイティブオフィス(倉庫施設を改修したロフト調オフィス)に対するIT企業の需要が高まっており、研究開発施設(R&D)を必要とする航空・ヘルスケア産業にとっても非常に魅力的な物件であるため、商業不動産価値は維持されるだろうと見られています。
次の買い手によって、トーランスの街自体が変貌するだろうと言われているため、今後もこの話題から目が離せそうにありません。
トーランス、及びその周辺エリアにおけるClass Aオフィスビルの2017年第1四半期マーケット相場
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