【最新オフィス・マーケット情報|サンフランシスコ】 需要拡大により広がりを見せ始めたベイエリアの賃貸オフィスマーケット
ベンチャー企業への投資額の減少や、IT業界の株価の低迷にもかかわらず、ベイエリアにおける賃貸オフィスマーケットは、まだまだ勢いのある状態が続いています。
マーケットを牽引するのは、Alphabet(Google)やApple、Facebookといった最大手IT企業です。大規模な自社キャンパスを保有するにもかかわらず、急速な増員に対応するためにオフィスを拡張し続けています。実際、GoogleとAppleは昨年だけで、2社合計23万スクエアフィートものオフィススペースを、ベイエリア内に新たに借り増しています。
大手IT企業が次々とオフィススペースを拡張しているため、ベイエリアにおけるオフィススペースの供給不足状態は慢性化しています。これらの企業の多くは、5万スクエアフィート以上の大型オフィススペースを求めており、中心地であるサンフランシスコには合計590万スクエアフィートの空きスペースがあるものの、IT企業による需要だけで370万スクエアフィート以上が埋まってしまうと言われています。
また、ベイエリア内ではサブリーススペースへの需要も高まっています。昨年、サンフランシスコ内でフィットネスバンドで有名なFitbitとシェアライドのLyftが、計43万7,000スクエアフィートのサブリーススペースを契約したというニュースが流れました。
こうした企業で働く多くの従業員は、1980年代以降に生まれたミレニアル世代であり、オフィスや住宅の周辺にレストラン・バーといったエンターテイメント施設が近接する環境を好みます。そのため、オフィススペースの供給不足が続くサンフランシスコでは、サブリーススペースがマーケットに出ると、ミレニアル世代を多く抱えるIT企業が即賃貸契約してしまう状況が続いています。
慢性的なオフィススペース不足を受けて、ベイエリアにおけるオフィスマーケットはSanta ClaraやNorth San Joseなど広範囲に広がりを見せています。
Santa Claraには、約40エーカーの土地に5~6階建ての計6棟のオフィスビルが建ち並ぶSanta Clara Gatewayが、大手ディベロッパーであるアーバイン・カンパニー社によって開発されました。また、North San Joseでは、Appleによる86エーカーの新キャンパス建設プロジェクトが発表されています。
Santa Clara Gateway (クレジット:アーバイン・カンパニー社)
そんな中、現在、新たに注目を集めているオフィスマーケットがベイエリアの東(East Bay)に位置するOaklandです。IT企業がOaklandに引き寄せられる理由は、サンフランシスコやシリコンバレー、国際空港から近距離である点や、サンフランシスコと比較してオフィス賃料が割安な点、カリフォルニア大学バークレー校から近く、若くて優秀な人材を採用し易い点などが挙げられます。Oaklandは、ここ1年で世界的に見ても賃貸オフィスマーケットが最も拡大している都市として急浮上しています。
既にサンフランシスコ市内に大型オフィスを構えるUberも、Oaklandへの進出を計画する企業の1つです。今年中には、33万スクエアフィートのオフィスを借り増し、Oaklandにおける雇用創出としては2010年以来最大規模となる約3,000人を新たに雇用すると言われています。
2017年に入っても今のところIT企業によるオフィススペースへの需要の衰えは見られません。弊社にはIT企業に限らず幅広い業界の日系企業から、ベイエリアへの新規進出や、増員計画に対応するためのオフィス移転、ビル内で拡張を伴う契約更新など、多くの問い合わせが入り続けています。過熱気味のマーケットにおいて適正な条件でオフィスを賃貸することは時に困難を極めるため、賃料相場に精通し、専門的なアドバイスを提供出来る商業不動産のプロフェッショナルを利用することがプロジェクト成功の秘訣です。
ベイエリアにおけるClass Aオフィスビルの2016年第4四半期マーケット相場
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