アメリカ不動産投資スクール 【第4回】物件購入後の管理・メンテナンスについて
管理会社の選び方・選定するポイント
日本では、「マンション(物件)は管理を買え」とよくいわれ、管理会社の選定が不動産投資を成功させる上での重要な要素となっていますが、ここアメリカでも事情はそう変わりません。特に、遠く離れた日本から物件の管理をするには、信頼できる管理会社の選定が重要になります。そこで、今回は投資用不動産購入後の物件の管理や気をつけるポイントなどを説明します。
管理会社によって、借主とのトラブル、賃料の未回収、敷金の取扱いによるトラブル、また部屋の修理に関するトラブル等が発生する可能性がありますので慎重に選定しましょう。
まず、管理会社を選定するポイントとして、以下のような点を確認しておくと良いでしょう。
• 透明性の高い、慎重・的確な資金の管理をしているか
• 下請け業者のコストコントロールをしているか
• 借主のクレームに対し、迅速かつ契約に沿った処理をしているか
• 日米の違いを理解し、オーナーと借主、現地の業者へ明確な説明をしてくれるか
• リスク回避のための、迅速なサービスと報告をしてくれるか
• 投資物件の価値に影響を与えると予測される現地の情報を、速やかに報告してくれるか
• 現地の法律に精通し、また市場を把握しており、適切なサービスを提供してくれるか
物件の管理費は、立地、物件の状態、想定家賃によって異なりますが、一般的には賃料の8%~10%ほどが相場となっています。
空室リスクに備える
次に考えておくべきなのは、空室リスクです。ニューヨークなど空室率が非常に低いエリアでも、季節要因や管理組合の審査にかかる期間が長引くことによる空室リスク等、ある程度考慮する必要があります。基本的にアメリカでは11月のホリデーシーズンから2月頃までは、人の動きが少なく、不動産マーケットもかなり減速します。この時期に借主を募集する場合は家賃を少し下げてマーケットに出したり、借主を連れてくる不動産会社に手数料を払う等の工夫が必要になります。
コンドミニアムの場合、購入時のみならず賃貸の場合も管理組合の認可が必要になるため、借主が書類を準備する期間、そしてそれを提出して審査を待つまでの時間を考慮する必要があります。審査に要する期間はコンドミニアムによって様々ですが、通常2週間~1ヶ月かかります。
その間オーナーは家賃収入が見込めませんので、できれば前の借主の退去2ヶ月前から次の借主探しができる権利を賃貸契約書に盛り込み、空室リスクを下げることをお勧めします。できるだけ早く借主を探すことも大切ですが、とはいえ、その後に賃料の未回収等のトラブルがあっては大変なので、事前に借主の信用調査をしっかり行うようにしましょう。テナント候補者が少しでも経済的に不安な場合は、敷金を多めに要求する、数か月分の賃料の前払いを要求する、あるいは保証人を立てるなどの条件をつけるのが一般的です。
海外での不動産投資の成功は、信頼できる正しい管理会社選びにかかっていると言っても過言ではありません。できれば現地に足を運んで、担当者とのミーティングを持つ等、慎重に選ぶことをお勧めします。