賃貸価格の落ち着きどころは?
コロナによる社会全体の停滞感が2年ほど続きましたが、昨年8月頃からやや終息基調が見られると同時に、人々の移動や働き方の変化から、賃貸市場も一気に過熱状態となり、マンハッタンを皮切りに賃貸価格の急上昇が起こりました。コロナ禍の期間は、賃貸市場も停滞を極め、明らかな家賃価格の下落こそ顕著には見られなかったものの、2か月フリーなどの付帯などで、実質的な値下げ、横ばいが2年ほど続いておりました。この影響が、特に賃貸契約の更新時に20%-50%の値上げ提示という事態を引き起こしました。
今年に入り、ロシアのウクライナ侵攻により、世界がかつてないほどのインフレとなり、上昇傾向だった賃貸家賃相場を一層引き上げることになりました。消費者物価指数が昨年比12%程度のアメリカで、マンハッタンでは30%程度の値上がりとなっております。為替レートが大きな円安となっているさなかで、駐在を送り出す日系企業の困難は容易に想像がつきます。
これだけの値上がり要因の中で、年末、年明けに向けて経済の下降傾向や、冬期間の恒常的な不動産取引の縮小などにより、現在は貸し手市場から借り手市場への緩やかな移行の傾向が見られます。売買市場は、連銀の政策金利の急激な上昇に伴い、今年の夏以降、一気に冷え込んでしまいました。この金利が上昇あるいは高止まりの間は、売買市場は停滞のままとなるでしょう。通例としては、このような中では賃貸市場は貸し手市場に向くのですが、この強いインフレ経済の中、人々の移動は抑えられ、賃貸市場の家賃上昇傾向は収まるものと期待しております。
リダック・ニュージャージーオフィス 上野雅章
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