アメリカの家賃相場の動向について 2018

 

2018年の全米賃貸マーケットは全体的に昨年より若干強めの上昇傾向で推移し、特に西海岸と南部での強い上昇が目立ちました。当社の指標"家賃インデックス"(※1)では、定期調査都市全31都市中30都市において数値が上昇する結果となりました。

家賃トレンドで都市を大別すると、

①好調な地元経済と人口流入によって住宅需要が高まり家賃上昇が見られた都市
②高額な新築物件が市場全体を底上げした都市
③需要増に対して供給が増えたほか、居住エリアの拡大により家賃上昇に落ち着きが見られた都市

の3つに分けられます。

2019年版定期調査都市31都市の中で上昇幅が最も大きかったのは、南部のAtlanta, GA(ジョージア州アトランタ)でした。中西部や南部では、都市別に昨年までとは異なる動きをみせ、全体的に緩やかな上昇を続けていたことで都市のマーケットが急上昇しました。なかでもAtlanta(アトランタ)は地元経済の成長と都市開発が進み、企業誘致政策も功を奏し、他都市からの人口流入が急増したことで最大の上昇幅を記録するに至りました。

他にマーケットの上昇が目立った都市としては、Nashville, TN(テネシー州ナッシュビル)とHouston, TX(テキサス州ヒューストン)などが挙げられます。一方で、自動車関連産業に伴う人口流入により強めの家賃上昇傾向にあったDallas, TX(テキサス州ダラス)とDetroit, MI(ミシガン州デトロイト)は横ばいに近い水準となりました。 

 

 

西海岸を見ると、ハイテク産業やクリーンテクノロジー産業が成長し、他州からの人口流入が増加しているPortland, OR(オレゴン州ポートランド)が2015年以来の強い上昇を見せ、西海岸の都市の中で最大の上昇幅を記録しました。続いて、昨年全米で最大の上昇幅を見せたSeattle, WA(ワシントン州シアトル)が依然として顕著な上昇を維持しています。カリフォルニア州ではSan Diego(サンディエゴ)が引き続き住宅需要が高く、昨年以上に上昇し、また数年落ち着きを見せていたSan Francisco(サンフランシスコ)とSan Jose(サンノゼ)も、高額な新築物件の建設により近年安定した上昇傾向にあるLos Angeles(ロサンゼルス)と同レベルの上昇傾向で推移しました。

東海岸で最も家賃が高いNew York(ニューヨーク)においては、新築物件の建設が更に続いているものの価格帯が高額であることを受けて、家賃が安い周辺地域に居住エリアが広がったことから近年横ばいの傾向が続きましたが、今年は緩やかな上昇で推移しました。New Jersey(ニュージャージー)州北部やBoston, MA(マサチューセッツ州ボストン)では、昨年まで高額帯の新築物件の増加により強めの上昇傾向でしたが、供給も増えたことにより家賃上昇に落ち着きがみられました。Washington, D.C.(コロンビア特別区)は、都市中心部の開発によって高額な新築物件の建設が進み、マーケット全体の価格を底上げする形となりました。

全体的に2019年以降も、特に西海岸、及び南部においては家賃の上昇傾向が続くと見られており、各地産業の動向、都市開発、他州からの人口流入、レントコントロール (家賃制限)の施行状況等が不動産マーケットに影響を及ぼすと推測されます。

 

※1 家賃インデックスとは、弊社作成の「エキスパット家賃レポート」の数値より算出した指標となります。

※「エキスパット家賃レポート」の数値は日系企業駐在員に特化しているため、米国の一般的なマーケットとは異なる動きを見せる場合もあります。


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